「ヨロン」と「セロン」

「世論」という熟語は、「ヨロン」とも「セロン」とも読まれる。
通常、熟語は重箱読み(註1)や湯桶読み(註2)されることは稀であり、これに従えば「セロン」と読むことになる。
では、何故「世論」は二つの読みを持っているのだろうか。

元々、「世論」は「セロン」としか読まなかった。
また、これとは別に「輿論(ヨロン)」という単語もあった。
意味は殆ど同じである。
しかし敗戦後、GHQの指導で漢字制限が行われ、当用漢字表が作られた。
そして、「輿」の字は表外字だったので、使えなくなった。
しかし「ヨロン」という言葉は国民に浸透していたので、代わりに「世論」と書いて「ヨロン」とも読むことにしたのである。

「世論」は「セイロン」とも読む。意味は同じ。


註1: 一文字目を音読み、二文字目を訓読みする熟語。「重箱」「万引」「相場」「王手」など。
註2: 一文字目を訓読み、二文字目を音読みする熟語。「湯桶」「泥棒」「鼠講」「豚肉」など。
因みに、「湯桶」は「ユトウ」と読めば湯桶読みだが、「ユオケ」と読むと完全な和語。


執筆: 2005年2月6日, 最終更新: 2008年7月31日

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