閏日は2月24日?

閏日と言えば、太陽年(太陽が黄道を周る周期)と暦年との誤差を調整する為に挿入される日である。
(挿入基準に関しては「閏年の基準は初代天皇」を参照)

日本に於いては、2月29日が閏日であると捉えることが通例だろう。
しかし、地域によっては「2月24日が閏日」としているところもある。
これは、以下のような歴史的経緯によるものである。

現在のグレゴリオ暦の元となった古代のローマ暦では、現在の3月に相当する月 (Martius)[注1] が正月であった。
そして、閏年には年末の月 (Februarius)[注2] の後に閏月を挿入して、太陽年と暦年との誤差を調整していた。
(更に遡ると、農閑期である冬季には抑々暦が定められていなかった)
このとき「Februarius の長さを23日とし、残りを閏月とする」としていたことから、現在でも2月23日の翌日(2月24日)を閏日としているのである。

2月24日を閏日とする慣習は、後にキリスト教の信仰と結び付いて定着した。
教派にも依るが、キリスト教には1月1日から12月31日までの各日それぞれに対応する聖人(守護聖人)がその日を守護している、とする考え方がある。
(「1月1日は誰某、1月2日は誰某、…」といった具合である)
2月24日を閏日とする慣習のある地域では、「閏年の2月25日~29日は、平年の2月24日~28日の守護聖人がそれぞれ守護する」と見做すのである。

尤も、現在では「2月29日を閏日とした方が合理的である」とする考え方も広く支持されている。

^ 1. 英語の March に相当
^ 2. 英語の February に相当