ホルモン焼きの「ホルモン」

言葉の語源には諸説あります。以下の記述が必ずしも唯一の正しいものとは限りません。ご了承ください。

生理学で「ホルモン」(Hormon) と言えば、生体内で分泌される物質である。
一方、焼肉屋で「ホルモン」と言えば、動物の内臓肉を焼いた料理である。

一見関係の深そうな両者であるが、実のところ余り関係は無い。[注1]
ホルモン焼きの「ホルモン」とは、「放る(= 捨てる)もん」である。
元々は捨てる部位だった肉を焼いたのが始まりであるところから、この名が付いたとされる。

実際、別にホルモン焼きを食べたところで特別なホルモン (Hormon) が分泌されるということは無い。
ましてやホルモン焼き自体が何らかの特別なホルモンであったり、特別なホルモンを含んでいたりするということも無い。
(「成長ホルモン」「性ホルモン」等[注2]を考えると、肉を指して「ホルモン」と称するのはそもそもおかしい)

ここでは関西の「放る」が採用されている。
もし命名された地域が違ったら、「ステルモン焼き」「ナゲルモン焼き」「ウッチャルモン焼き」などになっていたのだろうか。

^ 1. 食べるとスタミナの付きそうなイメージから、内臓肉料理に「ホルモン」(Hormon) の名を宛てた、とする説もある。
^ 2. 因みに「環境ホルモン」(内分泌撹乱物質)は生理学的な意味での「ホルモン」ではない。