日本の教育課程において、高校以降では単位制が用いられている。
とは言え、高校課程では学年制が用いられている場合が多く、その場合単位が意識に上ることは少ない。
単位が特に意識されるのは、高等教育においてだろう。
多くの場合、大学では90分授業を1ヶ学期履修すると2単位が得られる。
(実験・実技等の単位数のより少ない科目もある)
1ヶ学期に授業が15週有ったとしても、1単位あたり11.25時間である。
しかし、本当は
1単位の取得には45時間の学習が必要
なのである。
実に4倍である。
一体どういうことだろうか。
ここには “academic hour”(所謂、時限・校時)のトリックが隠されている。
どういうことかと言うと、
45分を以て1「時間」と見做す
という慣習があるのである。
つまり、事実上
1単位の取得には33.75時間の学習が必要
と言っているのと同じである。
しかし、それにしても11.25時間と比べれば3倍もある。
これで良いのだろうか。
結論を言うと、良いのである。
上で述べた「45時間」というのは予習・復習等の授業外の学習をも含めた時間であり、
講義・演習は15~30時間
と定められているのである。
よって、授業時間が実時間で11.25時間でも問題無いのである。
(残りの22.5時間は予習・復習等の時間と考えられている)
いずれにせよ、どうやらもっと学問に精を出さねばならないようである。
【関連法令】大学設置基準(昭和31年10月22日文部省令第28号)
- 第二十一条
- 2
- 前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
- 一
- 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。