多くのマンホールの蓋は円形である。
これには円という形状の重要な性質が関係していると言われている。
円形であれば、蓋がズレてしまっても穴に落ちることが無い。
もしマンホールの蓋が正方形だったらどうだろうか?
下図のように、蓋を斜めにしたら穴に落ちてしまう。
これは、正方形の対角線方向は辺に対して 2 倍の長さがあるためである。
では、マンホールの蓋が正三角形だったらどうだろうか?
下図のように、蓋を横にしたら穴に落ちてしまう。
これは、正三角形の高さは辺に対して 32 倍の長さしかないためである。
その点、円形であればどこを取っても直径より長い箇所はない。
従って、円形の蓋が穴に落ちることは無いのである。
因みに、マンホールの穴に落ちない蓋の形状は、円形だけではない。
下図は、「ルーローの三角形」と呼ばれる図形である。
これは、正三角形の各辺を、辺の長さを半径とする円弧に置き換えることで得られる図形である。
ルーローの三角形も「どの部分も幅が同じ」という性質を持っている。
従って、この形の蓋も円形と同じく穴に落ちることが無いと言える。
円形やルーローの三角形のように「どの部分も幅が同じ」という性質を持つ図形は、定幅図形と呼ばれる。