数字の読み方

日本語の単語は、大きく「和語(やまとことば)」「漢語」「外来語」に分けられる。
漢語にも漢音で読むものと呉音で読むものとがある。
(漢字音には唐音・慣用音等もあるが、割愛)

我々はこれらを複雑に組み合わせた複合語を無数に作り出している。
その最も顕著な例が、数詞であろう。

「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウ」というのは呉音である。
仏教語以外ではあまり使われない呉音であるが、例外的に数字ではよく使われる。

それと同時に「よん、なな、キュウ」もよく使われる。
これには「シ」「ク」が「死」「苦」に通ずるのを避けたり、「シチ」と「イチ」との聞き間違いを防いだりといった意味がある。
(鉄道等では「7時」を「ななじ」と読み、競馬等では「2010円」を「ふたせんとんでとおえん」と読んだりする。)

また、「ゼロ」はフランス語または英語由来である。

ここで、数字の読みを確認しよう。(太字がよく使われる音読み)

呉音 漢音 和語
リョウ レイ ひと(つ)
イチ イツ -
ふた(つ)
サン サン み(っつ)
よ(っつ)
いつ(つ)
ロク リク む(っつ)
シチ シツ なな(つ)
ハチ ハツ や(っつ)
キュウ ここの(つ)
ジュウ シュウ とお
ヒャク ハク もも
セン セン
マン バン よろず

例えば、「マイナスルートななテンゼロキュウニ(−√7.092)」といったような語も一語の数詞に他ならない。
これは一語の中に和語・漢語(呉音)・英語の混ざった例であると言える。

頑張ればまだまだ詰め込める。
標準的な日本語ではないが、下のような表現もある。

C(ツェー)万円
音楽系の隠語で「1万円」
「ツェー」はドイツ語由来
10K(キロ)円
技術系の隠語で「1万円」
「キロ」はギリシア語由来

日本語の数詞というのは随分とグローバルなものである。