2月30日とは言っても、太陰暦の話ではない。
西洋を中心に使われる太陽暦(広義のローマ暦)である。
2月30日は、これまでに世界で3回存在した。
ユリウス暦(旧暦)からグレゴリオ暦(新暦)への変更時期は、国によってまちまちであった。
例えばイタリアでは、旧1582年10月4日の翌日を新10月15日とすることで改暦を行った。(他の多くの国も時期は異なるが同様の方法)
しかし、スウェーデンは違った。
1700年~1740年の間の11回の閏を取り除き、新旧の暦のズレを正そうとしたのである。
まず、1700年は平年となった。
しかし、1704年も、1708年も、普通に閏年にしてしまった。
結局、計画は破綻してしまい、元に戻すために1712年に閏を2日入れることになった。
この結果生じたのが1712年2月30日である。
旧ソ連では1930年~1931年に特殊な暦を採用していた。
これは、毎月の日数を30日とし、余った5日は月に属さないものとして扱うものであった。
(類例にフランス革命暦があるが、通常の西洋暦との差異が大きいのでここでは扱わないものとする)
よって、この2年間は2月30日が普通に存在した。
しかし、1932年からはグレゴリオ暦に戻してしまった。
もっと細かいことを言うと、1932年からソ連の導入した暦は厳密には「グレゴリオ暦」とは異なる。
これは4年に1度の閏を900年に7回省くものであり(普通は400年に3回)、普通のグレゴリオ暦よりも精度が高い。
(普通の閏年についてはこちらを参照)
このまま行くと、西暦2400年にズレが生じるようである。