鉄道乗りつぶしルール 詳説・細則

鉄道乗りつぶしルールの例を交えた詳説と、ルールで定める程でもない細則です。

乗りつぶしルールの構成

「鉄道乗りつぶしルール」の主要部分は、「乗車対象」(第2章)・「乗車認定」(第3章)・「乗車記録」(第4章)からなる。

乗車対象
乗車すべき鉄軌道の範囲を規定する。
乗りつぶしの「白地図」を規定するものである。
乗車認定
各区間を「乗車した」と認める条件を規定する。
「白地図」をどうやって塗るかを決めるものである。
乗車記録
各暦日における「乗車対象」「乗車認定」の適用方法を規定する。
過去・現在・未来の各日における「白地図」をどう管理するかを決めるものである。

乗りつぶしルールの構成

重複戸籍区間の取扱

同一事業者の複数の路線に重複して計上するケース

同一事業者の複数の路線の重複区間は、原則としてそれぞれ別の区間として取り扱う。(ルール第4条第1項
このような区間に乗車した際には、乗車した列車の運行形態に即していずれか一方の路線に乗車したものとして取り扱う。(ルール第10条

この場合、具体的には乗車した列車の通過した線路に応じて乗車した路線を判定するものとする。

例えば、JR西日本の今宮~新今宮間は大阪環状線と関西線の重複区間である。(下図)
(新今宮~天王寺間については『鉄道要覧』と事業者による資料との間に差異がある場合の取扱を参照)

JR大阪環状線・関西線

この区間に乗車した際は、乗車した列車の通過した線路に応じて以下のように乗車した路線を判定する。

同様のケースは次の表の通り。

# 事業者 区間 路線 営業粁程 備考
1 JR西日本 今宮~新今宮 大阪環状線 1.2
関西
2 JR西日本 放出~鴫野 片町線 1.6 運賃計算上は1.6粁
おおさか東線 1.7
3 JR九州 小倉~西小倉 鹿児島 0.8
日豊
4 JR北海道 奥津軽いまべつ~木古内 北海道新幹線 74.8 海峡線は北海道新幹線開業前に定期旅客列車廃止
海峡線の乗車記録は北海道新幹線に継承しない
海峡線
5 東京地下鉄 日比谷~霞ケ関 2号線日比谷線 1.2 運賃計算上は1.2粁
9号線千代田線 0.8
6 東京地下鉄 表参道~渋谷 3号線銀座線 1.2 運賃計算上は1.3粁
11号線半蔵門線 1.3
7 東京地下鉄 霞ケ関~国会議事堂前4号線丸ノ内線 0.7 運賃計算上は0.7粁
9号線千代田線 0.8
8 東京地下鉄 飯田橋~市ケ谷 7号線南北線 1.1
8号線有楽町線
9 阪急電鉄 大阪梅田~十三 神戸 2.4 京都線は宝塚線の複々線
宝塚
10 阪神電気鉄道 尼崎~大物 本線 0.9
阪神なんば線
11 札幌市 さっぽろ~大通 南北線 0.6
東豊線
12 横浜市 センター南~センター北3号線 0.9
4号線
13 大阪市高速電気軌道 なんば~大国町 1号線(御堂筋線) 1.2
3号線(四つ橋線)

※貨物駅や信号場等は乗車路線の判定において問題とならないため、2つ以上の旅客駅を含む区間のみを示す。

重複戸籍区間だが同一視するケース

同一事業者の複数の路線の重複区間であっても、『鉄道要覧』において各社局の合計粁程に1路線分しか算入されていない場合は、例外的に単一の区間として取り扱う。(ルール第4条第1項但し書き

例えば、成田空港駅周辺の鉄道各線は下図のようになっている。
このうち京成成田~駒井野分岐部間は京成本線と東成田線の、(接続点)~成田空港間は京成本線と成田空港線の、それぞれ重複区間となっている。

成田空港駅周辺の鉄道各線

これらはそれぞれ京成電鉄の合計粁程には1つ分ずつしか算入されていない。
よって、これらは「全く同一の区間が偶々2路線に重複して属している」ものとして取り扱う。(従って乗車認定も乗車粁程も1つ分である)

同様のケースは次の表の通り。(上述の2区間しか存在しない)

# 事業者 区間 路線 営業粁程 備考
1 京成電鉄 京成成田~駒井野分岐部 本線 6.0
東成田線
2 京成電鉄 (接続点)~成田空港 本線 1.5
成田空港線

複数の事業者が許可/特許を有する区間のケース

複数の事業者が共用する区間や、複数の事業者が異なる種別の許可/特許を有する区間は、それぞれ別の区間として取り扱う。(ルール第4条第2項
このような区間に乗車した際には、乗車した列車の運行形態に即していずれか一方の路線に乗車したものとして取り扱う。(ルール第10条

この場合、具体的には乗車した列車を運行している事業者により乗車した路線を判定するものとする。

例えば、JR東日本常磐線・東京地下鉄9号線千代田線の北千住~綾瀬間は両社の共用区間である。(下図)

JR常磐線・東京地下鉄千代田線

この区間に乗車した際は、列車を運行している事業者に応じて以下のように乗車した路線を判定する。

同様のケースは次の表の通り。

# 所有事業者 区間 運行事業者 路線 営業粁程 備考
1 JR東日本(1)
東京地下鉄(1)
北千住~綾瀬 JR東日本(1) 常磐線 2.5 快速・中長距離
東京地下鉄(1) 9号線千代田線 2.6 各駅停車
2 JR西日本(1) 七尾~和倉温泉 JR西日本(1) 七尾線 5.1 特急
のと鉄道(2) 七尾線 普通
3 JR西日本(1) 嵯峨嵐山~馬堀 JR西日本(1) 山陰 7.8 新線
トロッコ嵯峨~トロッコ亀岡 嵯峨野観光鉄道(2) 嵯峨野観光線 7.3 旧線
4 JR西日本(1) 清音~総社 JR西日本(1) 伯備線 3.4
井原鉄道(2) 井原線
5 JR西日本(1) りんくうタウン~関西空港 JR西日本(1) 関西空港線 6.9
南海電気鉄道(2) 空港線
6 東京地下鉄(1) 目黒~白金高輪 東京地下鉄(1) 7号線南北線 2.3
東京都(2) 6号線三田線
7 北総鉄道(1) 京成高砂~小室 北総鉄道(1) 北総線 19.8 普通・急行・特急
京成電鉄(2) 成田空港線 アクセス特急・スカイライナー
8 千葉ニュータウン鉄道(3) 小室~印旛日本医大 北総鉄道(2) 北総線 12.5 普通・急行・特急
京成電鉄(2) 成田空港線 アクセス特急・スカイライナー
9 成田空港高速鉄道(3) (土屋点)~成田空港 JR東日本(2) 成田線 8.5 両社の単線並列
京成電鉄(2) 本線・成田空港線
10 神戸高速鉄道(3) 高速神戸~新開地 阪急電鉄(2) 神戸高速線 0.6
阪神電気鉄道(2) 神戸高速線

※括弧内の数字は鉄道事業許可の種別。
※貨物駅や信号場等は乗車路線の判定において問題とならないため、2つ以上の旅客駅を含む区間のみを示す。
※複数の事業者が第一種または第二種鉄道事業者として旅客営業を定期的に運行している区間のみを示す。(JR東海(1)・東海交通事業(2)城北線は、JRが列車を運行していないため表に含めない)

別線・短絡線の取扱

独立した営業キロを持たない短絡線

JR横須賀線・湘南新宿ラインは、下図のように運行している。

JR横須賀線・湘南新宿ライン

上図において、湘南新宿ラインの通る大崎~西大井間の線路(通称、蛇窪線)は、『鉄道要覧』に記載の無い短絡線である。
この区間は、ルール第5条第2項に従い、山手線大崎~品川間、及び横須賀線の通る線路(通称、品鶴線)品川~西大井間を経由しているものとして扱う。

※大崎/品川~西大井間は蛇窪線経由で2006年5月27日、品鶴線経由で2008年5月31日に乗車済である。

運賃や料金の計算上他区間と同一視される区間

ルール第5条第2項で定めているのは、独立した営業キロを持たない短絡線の扱いである。
独立した営業キロを持つ別線・短絡線については、運賃や料金の計算上他区間と同一視される場合であっても、原則通り独立した区間として取り扱う。

例えば、横浜市周辺のJR東海道線は下図のようになっている。
横浜羽沢駅は羽沢横浜国大駅と同一地点に存在する貨物駅であり、旅客列車は全て通過する。

横浜周辺のJR東海道線

上図のうち鶴見~横浜羽沢~東戸塚間を経由する列車(「湘南ライナー」等)は、運賃や料金の計算上、鶴見~横浜~東戸塚間を経由しているものと見做される。
よって、運賃や料金の計算に鶴見~横浜羽沢~東戸塚経由の粁程が用いられることは無い。

しかし、『鉄道要覧』上は鶴見~横浜羽沢~東戸塚間は鶴見~横浜~東戸塚間とは別の区間として記載され、別個の営業キロが与えられている。
よって、当サイトにおいても鶴見~横浜羽沢~東戸塚間は鶴見~横浜~東戸塚間とは区別して取り扱う。
また、鶴見~羽沢横浜国大間は鶴見~横浜羽沢間とは区別しない。

同様のケースは次の表の通り。

# 事業者 路線 区間 営業粁程 備考
1 JR各社 東海道・山陽・九州・東北・上越新幹線 - 新在同一視の原則(旅規第16条の2)により同一視されている
対応する並行在来線
2 JR東日本 東海道 鶴見~横浜~東戸塚 15.0 横浜羽沢経由は「湘南ライナー」等が通過
横浜羽沢駅と羽沢横浜国大駅とは区別しない
鶴見~横浜羽沢~東戸塚 16.0
3 JR東日本 武蔵野線・東北 西浦和~南浦和~与野 9.0 別所(信)経由は「むさしの」等が通過
所謂西浦和支線は武蔵浦和~西浦和~別所(信)の短絡線として扱う
武蔵野線 西浦和~別所(信)~与野 4.9
4 JR東海 東海道 金山~尾頭橋~名古屋 3.3 旅規第68条にて「同一の線路である」とされている
中央 金山~山王(信)~名古屋
5 JR東海 東海道 大垣~垂井~関ケ原 13.8 新垂井経由は下り特急が通過
上り本線と垂井線とは区別しない
大垣~(新垂井)~関ケ原

『鉄道要覧』と事業者による資料との間に差異がある場合の取扱

JR大阪環状線・関西線は、下図のように運行している。

JR大阪環状線・関西線

このうち新今宮~天王寺間(上図破線部分)の取扱は、資料により異なっている。

当サイトではルール第6条に従い、この区間は『鉄道要覧』に拠って関西線の単独区間であるとする。

尚、今宮~新今宮間については両資料とも両路線の重複区間としている。
こちらについては同一事業者の複数の路線に重複して計上するケースを参照。

※新今宮~天王寺間は関西線(大和路線)の列車で2005年6月7日、大和路快速の列車で同月8日、大阪環状線の列車で同月10日に乗車済である。

同一駅として取り扱われる複数の駅の取扱

東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)は、下図のように運行している。
浅草発着の本線と、東京メトロ半蔵門線直通・押上経由の支線とが、曳舟で合流している。

東武伊勢崎線

押上駅はとうきょうスカイツリー駅と同一駅として取り扱われており、『鉄道要覧』に拠ると押上~曳舟間は本線の線増区間となっている。
よって、当サイトにおいてもルール第9条に従いとうきょうスカイツリー~曳舟間・押上~曳舟間の両区間を同一視し、一方に乗車すればよいものとする。

※とうきょうスカイツリー(当時は業平橋)~曳舟間は1997年6月3日、押上~曳舟間は2004年6月11日に乗車済である。