鉄道乗りつぶしルール
第一章 総則
- 第一条 (目的)
- 本規則は、公正に鉄道及び軌道に完乗するための指針を示すものである。
第二章 乗車対象
- 第二条 (乗車対象)
- 本規則で乗車対象とする区間は、次の各号に掲げる通りとする。
- 一
- 日本国の鉄道事業法(昭和61年12月4日法律第92号)に基づき事業者が第一種鉄道事業または第二種鉄道事業の許可を受けて営業している鉄道のうち、当該事業者が旅客列車を定期的に運行している区間。
- 二
- 日本国の軌道法(大正10年4月14日法律第76号)に基づき経営者が特許を受けて営業している軌道のうち、当該経営者が旅客列車を定期的に運行している区間。
- 2 前項第二号において、日本国の地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年5月25日法律第59号)に規定される軌道運送事業を行う者と軌道整備事業を行う者とが異なる区間については、前者が営業している区間として取り扱う。
《注》 第三種鉄道事業や軌道整備事業については乗車対象として計上しない。
《注》 鉄道事業法において索道事業や専用鉄道と規定される鉄道や、鉄道事業法・軌道法の適用対象外となる鉄軌道等は、乗車対象としない。
《注》 普通鉄軌道のみならず、懸垂式鉄軌道・跨座式鉄軌道・案内軌条式鉄軌道・無軌条電車・鋼索鉄道・浮上式鉄道も乗車対象とする。 〔参考: 鉄道事業法施行規則第4条〕
- 第三条 (運行が限定的である区間)
- 曜日や季節等を限定して旅客列車が定期的に運行される区間は、乗車対象とする。 〔例: JR上越線(上越新幹線) 越後湯沢~ガーラ湯沢間〕
- 2 期間限定の旅客営業許可または特許を取得して一定期間のみ旅客列車が運行される区間は、乗車対象としない。
- 3 旅客営業許可または特許を取得してい乍ら通常は旅客列車を運行していない区間において旅客列車の臨時運行があった場合は、乗車対象としない。
- 4 災害や事故等により不通となっており、将来に亘り復旧する見込が無いと考えられる区間は、乗車対象としない。
《注》 第4項により、JR日田彦山線添田~夜明間は乗車対象外とする。
- 第四条 (重複戸籍区間)
- 同一事業者(軌道経営者を含む、以下同じ)の複数の路線に重複して属する区間は、原則としてそれぞれの路線について異なる区間として取り扱う。
但し、第六条に定める準拠資料において当該事業者の粁程の合計値に重複分の粁程が算入されていない場合は、単一の区間として取り扱う。
- 2 複数の事業者が許可または特許を有する区間は、当該区間で旅客列車を定期的に運行しているそれぞれの事業者について異なる区間として取り扱う。
《注》 該当する区間の一覧は同一事業者の複数の路線に重複して計上するケース・重複戸籍区間だが同一視するケース・複数の事業者が許可/特許を有する区間のケースを参照。
- 第五条 (別線・短絡線)
- 同一区間に複数のルートが存在する場合、それらのルートは同一のものとして取り扱う。 〔例: JR青梅線 立川~西立川間〕
- 2 独立した営業キロを持たない短絡線は、当該区間に対応する短絡線でない区間と同一のものとして取り扱う。 〔例: JR山手線・東海道線〈蛇窪線〉 大崎~西大井間〕
《注》 運賃や料金の計算上は並行する他区間と同一視される区間であっても、独立した営業キロを有する場合は独立した区間として取り扱う。 〔例: JR東海道線〈羽沢線〉 鶴見~東戸塚間〕
- 第六条 (準拠資料)
- 乗車対象区間の確定及び粁程の算定は、原則として『鉄道要覧』(電気車研究会・鉄道図書刊行会発行)の記述に拠る。
但し、最新の『鉄道要覧』の刊行以後の鉄軌道の改廃や、『鉄道要覧』の記述のうち明らかに誤りであると判断できるもの等については、事業者の広報や市販の時刻表等により適宜補うものとする。
《注》 『鉄道要覧』の記述が事業者による資料(JRの線路名称公告等)の記述がと異なる場合であっても、原則として『鉄道要覧』の記述に従う。 〔例: JR大阪環状線・関西線 新今宮~天王寺間〕
- 第七条 (具体的な乗車対象)
- 具体的な乗車対象区間は、別表でこれを定める。
《注》 「別表」とは、鉄道乗車記録の事業者毎の営業粁程・走破粁程の表を指す。
第三章 乗車認定
- 第八条 (乗車認定)
- 車輌・列車種別・天候・時刻その他の環境にかかわらず、列車に乗車した区間の全てを既乗区間として認定するものとする。
《注》 乗車する列車は、定期的に運行されている旅客列車以外の臨時列車等でも構わない。
- 第九条 (乗降の位置)
- 駅(停留場等を含む、以下同じ)に複数のホームが存在したり、同一駅として取り扱われる複数の駅が存在したりする場合、それらを同一視する。 〔例: 東武伊勢崎線 とうきょうスカイツリー駅・押上駅〕
- 第十条 (重複戸籍区間)
- 第四条の対象区間(同条第1項の但し書きの対象区間を除く)に乗車した場合は、乗車した列車の運行形態に即して、異なる区間として取り扱われるうちのいずれか一つに乗車したものとして取り扱う。
《注》 同一事業者の場合は乗車した列車の通過した線路に応じて乗車した区間を確定する。 〔例: JR大阪環状線・関西線 今宮~新今宮間〕
《注》 異なる事業者の場合は列車を運行している事業者によって乗車した区間を区別する。 〔例: JR常磐線・東京地下鉄9号線千代田線 北千住~綾瀬間〕
- 第十一条 (振替輸送)
- 災害や列車遅延等により振替輸送を利用した場合は、実際に振替輸送に用いた区間を乗車区間と認めるものとする。
- 第十二条 (他の交通機関による代替輸送)
- 災害や列車遅延等により代替バス・タクシー等を使用した場合は、当該区間の乗車とは認めないものとする。
- 第十三条 (不正確な乗車認定)
- 正確な乗車日が不明でも、乗車したことが確実である区間については、自己の良心に従い、当該区間に乗車したものと認めるものとする。
第四章 乗車記録
- 第十四条 (乗車記録)
- 乗車は、暦日を単位として記録する。
暦日は、乗車した各列車について、当該列車による移動を開始した地点及び時点における暦日を採用する。
《注》 各暦日について、その時点において乗車対象である各区間に対し、既乗/未乗の別と、既乗の場合はその初回乗車日がわかるように記録する。
《注》 乗車中に暦日を跨いだ場合であっても、跨ぐ前の暦日を採用する。乗車中に標準時の変更があった場合やタイムゾーンを跨いで乗車した場合も同様である。
- 第十五条 (乗車後の変更)
- 乗車対象区間の線名・駅名・位置・粁程・運行する事業者等に変更があった場合でも、変更前後の当該区間を同一区間として取り扱う。
- 第十六条 (路線の統合)
- 異なる区間として取り扱われていた複数の区間が単一の区間として取り扱われるように変更された場合は、変更前の各区間への乗車経験をいずれも変更後の当該区間への乗車経験と見做す。
《注》 2000年8月6日に東急目蒲線田園調布~多摩川園間が東急東横線に統合されたケースと同様のものを想定しているが、現在までのところこの条文を適用した例は無い。
- 第十七条 (路線の分離)
- 単一の区間として取り扱われていた区間が複数の異なる区間として取り扱われるように変更された場合は、変更前の当該区間に乗車したときの列車の運行形態に即して、変更後の各区間のうちの一つまたは複数に乗車したものとして取り扱う。
《注》 東京地下鉄13号線副都心線小竹向原~池袋間は、1994年の開業以来8号線有楽町線の別線〈新線〉として扱われていたが、2008年06月14日に独立した営業キロが設定された。(『鉄道要覧』には令和2年度版より反映)
- 第十八条 (乗車対象からの除外)
- 乗車対象であった区間が乗車対象から外れた場合は、同日以降は当該区間を乗車記録から除外する。
- 2 第三条第4項により乗車対象外となった区間は、当該区間において最後に列車が運行された日の翌日を以て廃止されたものとして扱うことができる。
《注》 第2項はJR気仙沼線柳津~気仙沼間、JR大船渡線気仙沼~盛間、JR日高線鵡川~様似間、JR根室線東鹿越~新得間、JR日田彦山線添田~夜明間に適用している。
- 第十九条 (乗車対象外区間への新規適用)
- 乗車対象でなかった区間が新たに乗車対象として取り扱われるようになった場合は、それ以前に当該区間に乗車した経験がある場合、その経験を以て当該区間の乗車記録と見做す。
- 2 前項の規定は、嘗て乗車対象であったが乗車対象から外れていた区間が再び乗車対象として取り扱われるようになった場合について準用する。
《注》 臨時列車のみが走っていた区間に定期旅客列車が設定された場合や、保存鉄道や遊具鉄道が正規の鉄軌道となった場合を想定しているが、現在までのところこの条文を適用した例は無い。
第五章 削除
- 第二十条
- 削除
第六章 補則
- 第二十一条 (日本法域外の鉄軌道)
- 日本国の鉄道事業法及び軌道法の適用されない地域における鉄道及び軌道は、乗車対象としない。
但し、乗車記録は日本国の鉄道事業法及び軌道法に拠る鉄道及び軌道に準ずる形で残すものとする。
- 第二十二条 (本規則施行以前の乗車)
- 本規則が施行または改正される以前の乗車記録については、遡って本規則を適用するものとする。
- 第二十三条 (改正)
- 本規則の改正は、管理人の一存でできるものとする。
附記 参考資料
改正履歴(抄)
- 2004年02月29日
- 草案起草
- 2004年11月27日
- 公布・施行(乗車対象: JR(宮島航路を含む)・転換三セク・Suica圏・パスネット圏)
- 2005年04月17日
- 旧営団地下鉄の乗車記録に関する特例を廃止
- 2005年07月08日
- 準拠資料『JTB時刻表』の発行元の変更に対応
- 2006年06月11日
- 乗車対象にPASMO圏を追加
- 2008年03月08日
- 乗車対象を全路線に拡大、従来の乗車対象(パスネット圏は除外)を「目標乗車線区」に指定
- 2012年06月05日
- 主たる準拠資料を『鉄道要覧』に変更、日本国外の鉄軌道の取り扱いを明示
- 2012年09月29日
- 国鉄・JR時代の未成線を「目標乗車線区」に追加、廃線の取り扱いを明示
- 2014年08月18日
- 駅以外の起終点を認めるように変更、BRTの特例を追加
- 2014年12月14日
- 乗車対象の例外を削除、新幹線の粁程を実キロとする特例を削除
- 2015年03月14日
- 乗車対象・乗車認定・乗車記録を分離、JRの路線名に関する特例を廃止、変更のあった区間の取扱を明示、「目標乗車線区」を廃止
- 2015年12月31日
- 重複戸籍区間の取り扱いの例外を追加、限られた期間のみ運行される区間と乗車日の決定方法の表現を変更
- 2018年08月19日
- 乗車日の決定方法を明確化
- 2019年11月30日
- 独立した営業キロを持つにもかかわらず運賃や料金の計算に用いられない区間の特例を削除、宮島航路・BRTの特例を削除、事実上の廃線についての規定を追加、日本法域外の鉄軌道の表現を変更
- 2020年04月01日
- 事実上の廃線について廃止日の考え方を明示
- 2021年03月13日
- 事実上の廃線についての規定を修正
- 2022年11月04日
- 乗車後の変更・統合・分離についての規定を修正