旧暦の計算《計算式編》
本ページは旧暦の計算のサブページです。
1873(明治6)年のグレゴリオ暦への改暦まで日本で使われていた旧暦。
本ページでは、朔や二十四節気の時刻を計算するのに必要な諸関数の計算式について記載する。
目次
儀鳳暦
月離による補正値
儀鳳暦における月離による補正値 Δ☽︎(t) は、近点月 P☽︎ = 277431/12/1340 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図の折れ線で与えられる。
折れ線の頂点の値は下表の通りである。
五紀暦においても儀鳳暦とほぼ同じであるから、併せて掲載する。
近地点からの経過日数 t |
補正値(儀鳳暦) Δ☽︎(t) |
補正値(五紀暦) Δ☽︎(t) |
---|---|---|
近地点 0 日 | 0 日 | 0 日 |
1 日 | +134/1340 日 | +135/1340 日 |
2 日 | +251/1340 日 | +252/1340 日 |
3 日 | +350/1340 日 | +351/1340 日 |
4 日 | +428/1340 日 | +429/1340 日 |
5 日 | +484/1340 日 | +485/1340 日 |
6 日 | +517/1340 日 | +518/1340 日 |
61190/1340 日 | +526/1340 日 | +526/1340 日 |
7 日 | +526/1340 日 | +525/1340 日 |
8 日 | +512/1340 日 | +511/1340 日 |
9 日 | +474/1340 日 | +473/1340 日 |
10 日 | +412/1340 日 | +411/1340 日 |
11 日 | +327/1340 日 | +326/1340 日 |
12 日 | +223/1340 日 | +223/1340 日 |
13 日 | +102/1340 日 | +105/1340 日 |
遠地点 131041/1340 日 | 0 日 | 0 日 |
14 日 | −29/1340 日 | −30/1340 日 |
15 日 | −157/1340 日 | −158/1340 日 |
16 日 | −272/1340 日 | −273/1340 日 |
17 日 | −367/1340 日 | −368/1340 日 |
18 日 | −441/1340 日 | −442/1340 日 |
19 日 | −493/1340 日 | −494/1340 日 |
20 日 | −521/1340 日 | −522/1340 日 |
20892/1340 日 | −525/1340 日 | −528/1340 日 |
21 日 | −525/1340 日 | −525/1340 日 |
22 日 | −505/1340 日 | −505/1340 日 |
23 日 | −461/1340 日 | −463/1340 日 |
24 日 | −393/1340 日 | −398/1340 日 |
25 日 | −304/1340 日 | −309/1340 日 |
26 日 | −196/1340 日 | −200/1340 日 |
27 日 | −71/1340 日 | −75/1340 日 |
27743/1340 日 | 0 日 | 0 日 |
近地点 277431/12/1340 日 | 0 日 | 0 日 |
近地点/遠地点の通過時刻と、補正値が極大/極小になる時刻を例外として、基本的には1日毎に頂点が打たれている。
実際の計算に当たっては、1/1340 日(儀鳳暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
日躔による補正値
儀鳳暦における日躔による補正値 Δ☉(t) は、近点年 P☉ = 365328/1340 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図に示す通り24個の2次関数(放物線)を繋ぎ合わせた形である。
2次関数は、各区間 [τs, τe) 毎に次式の形で与えられる。
区間の端点 τs, τe 及び係数 a, b, c の値は下表の通りである。
区間の始点 τs (近日点からの経過日数) |
区間の終点 τe (近日点からの経過日数) |
初日朓朒数 a |
初日損益 b |
損益の変化率 c |
---|---|---|---|---|
0 日(定気冬至) | 14 911/1340 日(定気小寒) | 0 | +3.9546/日 | −0.0372/日2 |
14 911/1340 日(定気小寒) | 29 586/1340 日(定気大寒) | +54 | +3.4091/日 | −0.0372/日2 |
29 586/1340 日(定気大寒) | 44 365/1340 日(定気立春) | +100 | +2.8636/日 | −0.0372/日2 |
44 365/1340 日(定気立春) | 59 144/1340 日(定気雨水) | +138 | +2.3181/日 | +0.0372/日2 |
59 144/1340 日(定気雨水) | 731159/1340 日(定気啓蟄) | +176 | +2.8636/日 | +0.0372/日2 |
731159/1340 日(定気啓蟄) | 88 729/1340 日(定気春分) | +222 | +3.4091/日 | +0.0372/日2 |
88 729/1340 日(定気春分) | 104 404/1340 日(定気清明) | +276 | −3.7220/日 | +0.0329/日2 |
104 404/1340 日(定気清明) | 1191315/1340 日(定気穀雨) | +222 | −3.2086/日 | +0.0329/日2 |
1191315/1340 日(定気穀雨) | 135 782/1340 日(定気立夏) | +176 | −2.6952/日 | +0.0329/日2 |
135 782/1340 日(定気立夏) | 151 249/1340 日(定気小満) | +138 | −2.1818/日 | −0.0329/日2 |
151 249/1340 日(定気小満) | 1661160/1340 日(定気芒種) | +100 | −2.6952/日 | −0.0329/日2 |
1661160/1340 日(定気芒種) | 182 834/1340 日(定気夏至) | +54 | −3.2086/日 | −0.0329/日2 |
182 834/1340 日(定気夏至) | 198 509/1340 日(定気小暑) | 0 | −3.7220/日 | +0.0329/日2 |
198 509/1340 日(定気小暑) | 214 80/1340 日(定気大暑) | −54 | −3.2086/日 | +0.0329/日2 |
214 80/1340 日(定気大暑) | 229 887/1340 日(定気立秋) | −100 | −2.6952/日 | +0.0329/日2 |
229 887/1340 日(定気立秋) | 245 354/1340 日(定気処暑) | −138 | −2.1818/日 | −0.0329/日2 |
245 354/1340 日(定気処暑) | 2601265/1340 日(定気白露) | −176 | −2.6952/日 | −0.0329/日2 |
2601265/1340 日(定気白露) | 276 939/1340 日(定気秋分) | −222 | −3.2086/日 | −0.0329/日2 |
276 939/1340 日(定気秋分) | 291 510/1340 日(定気寒露) | −276 | +3.9546/日 | −0.0372/日2 |
291 510/1340 日(定気寒露) | 306 185/1340 日(定気霜降) | −222 | +3.4091/日 | −0.0372/日2 |
306 185/1340 日(定気霜降) | 3201304/1340 日(定気立冬) | −176 | +2.8636/日 | −0.0372/日2 |
3201304/1340 日(定気立冬) | 3351083/1340 日(定気小雪) | −138 | +2.3181/日 | +0.0372/日2 |
3351083/1340 日(定気小雪) | 350 758/1340 日(定気大雪) | −100 | +2.8636/日 | +0.0372/日2 |
350 758/1340 日(定気大雪) | 365 328/1340 日(定気冬至) | −54 | +3.4091/日 | +0.0372/日2 |
日躔による補正値も、月離の場合と同じく 1/1340 日(儀鳳暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
大衍暦
月離による補正値
大衍暦における月離による補正値 Δ☽︎(t) は、近点月 P☽︎ = 27168579/80/3040 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図の折れ線で与えられる。
※近地点ではなく遠地点を基準に定義されているので、儀鳳暦・五紀暦に対して P☽︎/2 だけズレている。
折れ線の頂点の値は下表の通りである。
遠地点からの経過日数 t |
補正値(大衍暦) Δ☽︎(t) |
---|---|
遠地点 0 日 | 0 日 |
1 日 | −297/3040 日 |
2 日 | −556/3040 日 |
3 日 | −776/3040 日 |
4 日 | −956/3040 日 |
5 日 | −1095/3040 日 |
6 日 | −1192/3040 日 |
62701/3040 日 | −1240/3040 日 |
7 日 | −1234/3040 日 |
8 日 | −1170/3040 日 |
9 日 | −1064/3040 日 |
10 日 | −916/3040 日 |
11 日 | −727/3040 日 |
12 日 | −498/3040 日 |
13 日 | −231/3040 日 |
近地点 132362/3040 日 | 0 日 |
14 日 | +66/3040 日 |
15 日 | +355/3040 日 |
16 日 | +605/3040 日 |
17 日 | +816/3040 日 |
18 日 | +987/3040 日 |
19 日 | +1117/3040 日 |
20 日 | +1204/3040 日 |
202024/3040 日 | +1240/3040 日 |
21 日 | +1222/3040 日 |
22 日 | +1149/3040 日 |
23 日 | +1033/3040 日 |
24 日 | +876/3040 日 |
25 日 | +678/3040 日 |
26 日 | +441/3040 日 |
27 日 | +165/3040 日 |
271685/3040 日 | 0 日 |
遠地点 27168579/80/3040 日 | 0 日 |
近地点/遠地点の通過時刻と、補正値が極大/極小になる時刻を例外として、基本的には1日毎に頂点が打たれている。
実際の計算に当たっては、1/3040 日(大衍暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
日躔による補正値
大衍暦における日躔による補正値 Δ☉(t) は、近点年 P☉ = 365743/3040 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図に示す通り24個の2次関数(放物線)を繋ぎ合わせた形である。
なお、五紀暦においてもこれと同じ関数を用いる。
2次関数は、各区間 [τs, τe) 毎に次式の形で与えられる。
区間の端点 τs, τe 及び係数 a, b, c の値は下表の通りである。
区間の始点 τs (近日点からの経過日数) |
区間の終点 τe (近日点からの経過日数) |
初日朓朒数 a |
初日損益 b |
損益の変化率 c |
---|---|---|---|---|
0 日(定気冬至) | 141352/3040 日(定気小寒) | 0 | +13.4524/日 | −0.1886/日2 |
141352/3040 日(定気小寒) | 29 171/3040 日(定気大寒) | +176 | +10.5564/日 | −0.1634/日2 |
29 171/3040 日(定気大寒) | 432485/3040 日(定気立春) | +314 | +8.0408/日 | −0.1446/日2 |
432485/3040 日(定気立春) | 582174/3040 日(定気雨水) | +418 | +5.8160/日 | −0.1318/日2 |
582174/3040 日(定気雨水) | 732250/3040 日(定気啓蟄) | +491 | +3.7987/日 | −0.1240/日2 |
732250/3040 日(定気啓蟄) | 882700/3040 日(定気春分) | +535 | +1.9265/日 | −0.1240/日2 |
882700/3040 日(定気春分) | 104 539/3040 日(定気清明) | +551 | −0.2048/日 | −0.1178/日2 |
104 539/3040 日(定気清明) | 1191791/3040 日(定気穀雨) | +535 | −1.9968/日 | −0.1190/日2 |
1191791/3040 日(定気穀雨) | 135 391/3040 日(定気立夏) | +491 | −3.7956/日 | −0.1240/日2 |
135 391/3040 日(定気立夏) | 1502446/3040 日(定気小満) | +418 | −5.6626/日 | −0.1324/日2 |
1502446/3040 日(定気小満) | 1661915/3040 日(定気芒種) | +314 | −7.6555/日 | −0.1436/日2 |
1661915/3040 日(定気芒種) | 1821892/3040 日(定気夏至) | +176 | −9.9405/日 | −0.1436/日2 |
1821892/3040 日(定気夏至) | 1981869/3040 日(定気小暑) | 0 | −12.0819/日 | +0.1436/日2 |
1981869/3040 日(定気小暑) | 2141338/3040 日(定気大暑) | −176 | −9.7018/日 | +0.1324/日2 |
2141338/3040 日(定気大暑) | 230 353/3040 日(定気立秋) | −314 | −7.5450/日 | +0.1240/日2 |
230 353/3040 日(定気立秋) | 2451993/3040 日(定気処暑) | −418 | −5.5634/日 | +0.1190/日2 |
2451993/3040 日(定気処暑) | 261 205/3040 日(定気白露) | −491 | −3.7038/日 | +0.1178/日2 |
261 205/3040 日(定気白露) | 2761084/3040 日(定気秋分) | −535 | −1.8954/日 | +0.1178/日2 |
2761084/3040 日(定気秋分) | 2911534/3040 日(定気寒露) | −551 | +0.1783/日 | +0.1240/日2 |
2911534/3040 日(定気寒露) | 3061610/3040 日(定気霜降) | −535 | +2.0042/日 | +0.1318/日2 |
3061610/3040 日(定気霜降) | 3211299/3040 日(定気立冬) | −491 | +3.8950/日 | +0.1446/日2 |
3211299/3040 日(定気立冬) | 336 573/3040 日(定気小雪) | −418 | +5.9214/日 | +0.1634/日2 |
336 573/3040 日(定気小雪) | 3502432/3040 日(定気大雪) | −314 | +8.1610/日 | +0.1886/日2 |
3502432/3040 日(定気大雪) | 365 743/3040 日(定気冬至) | −176 | +10.9010/日 | +0.1886/日2 |
日躔による補正値も、月離の場合と同じく 1/3040 日(大衍暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
五紀暦
月離による補正値
儀鳳暦の項に併せて掲載。
日躔による補正値
大衍暦の項のものと同一。
宣明暦
月離による補正値
宣明暦における月離による補正値 Δ☽︎(t) は、近点月 P☽︎ = 274658.19/8400 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図の折れ線で与えられる。
※基準点を近地点とするか遠地点とするかは半周期毎に切り替わる。
折れ線の頂点の値は下表の通りである。
近地点/遠地点からの経過日数 t |
補正値(宣明暦) Δ☽︎(t) |
---|---|
近地点 0 日 | 0 日 |
1 日 | +830/8400 日 |
2 日 | +1556/8400 日 |
3 日 | +2154/8400 日 |
4 日 | +2618/8400 日 |
5 日 | +2947/8400 日 |
6 日 | +3142/8400 日 |
67465/8400 日 | +3195/8400 日 |
7 日 | +3188/8400 日 |
8 日 | +3106/8400 日 |
9 日 | +2881/8400 日 |
10 日 | +2515/8400 日 |
11 日 | +2014/8400 日 |
12 日 | +1386/8400 日 |
13 日 | +646/8400 日 |
136529/8400 日 | 0 日 |
遠地点 0 日 | 0 日 |
1 日 | −830/8400 日 |
2 日 | −1556/8400 日 |
3 日 | −2162/8400 日 |
4 日 | −2633/8400 日 |
5 日 | −2970/8400 日 |
6 日 | −3172/8400 日 |
67465/8400 日 | −3225/8400 日 |
7 日 | −3218/8400 日 |
8 日 | −3136/8400 日 |
9 日 | −2912/8400 日 |
10 日 | −2546/8400 日 |
11 日 | −2037/8400 日 |
12 日 | −1394/8400 日 |
13 日 | −646/8400 日 |
近地点 136529/8400 日 | 0 日 |
近地点/遠地点の通過時刻と、補正値が極大/極小になる時刻を例外として、基本的には1日毎に頂点が打たれている。
実際の計算に当たっては、1/8400 日(宣明暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
日躔による補正値
宣明暦における日躔による補正値 Δ☉(t) は、近点年 P☉ = 3652055/8400 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図に示す通り24個の2次関数(放物線)を繋ぎ合わせた形である。
2次関数は、各区間 [τs, τe) 毎に次式の形で与えられる。
区間の端点 τs, τe 及び係数 a, b, c の値は下表の通りである。
区間の始点 τs (近日点からの経過日数) |
区間の終点 τe (近日点からの経過日数) |
初日朓朒数 a |
初日損益 b |
損益の変化率 c |
---|---|---|---|---|
0 日(定気冬至) | 144236/8400 日(定気小寒) | 0 | +33.4511/日 | −0.3695/日2 |
144236/8400 日(定気小寒) | 291072/8400 日(定気大寒) | +449 | +28.0389/日 | −0.3606/日2 |
291072/8400 日(定気大寒) | 437307/8400 日(定気立春) | +823 | +22.6998/日 | −0.3519/日2 |
437307/8400 日(定気立春) | 586143/8400 日(定気雨水) | +1122 | +17.8923/日 | −0.4068/日2 |
586143/8400 日(定気雨水) | 736179/8400 日(定気啓蟄) | +1346 | +11.7966/日 | −0.3998/日2 |
736179/8400 日(定気啓蟄) | 887414/8400 日(定気春分) | +1481 | +5.7986/日 | −0.3998/日2 |
887414/8400 日(定気春分) | 1041450/8400 日(定気清明) | +1526 | −0.2433/日 | −0.3779/日2 |
1041450/8400 日(定気清明) | 1195085/8400 日(定気穀雨) | +1481 | −6.1254/日 | −0.3634/日2 |
1195085/8400 日(定気穀雨) | 1351521/8400 日(定気立夏) | +1346 | −12.2048/日 | −0.2987/日2 |
1351521/8400 日(定気立夏) | 1507357/8400 日(定気小満) | +1122 | −16.9060/日 | −0.2919/日2 |
1507357/8400 日(定気小満) | 1665792/8400 日(定気芒種) | +823 | −21.5362/日 | −0.2854/日2 |
1665792/8400 日(定気芒種) | 1825228/8400 日(定気夏至) | +449 | −26.0498/日 | −0.2854/日2 |
1825228/8400 日(定気夏至) | 1984664/8400 日(定気小暑) | 0 | −30.3119/日 | +0.2854/日2 |
1984664/8400 日(定気小暑) | 2143099/8400 日(定気大暑) | −449 | −25.8126/日 | +0.2919/日2 |
2143099/8400 日(定気大暑) | 230 535/8400 日(定気立秋) | −823 | −21.2454/日 | +0.2987/日2 |
230 535/8400 日(定気立秋) | 2455370/8400 日(定気処暑) | −1122 | −17.0296/日 | +0.3634/日2 |
2455370/8400 日(定気処暑) | 261 606/8400 日(定気白露) | −1346 | −11.4744/日 | +0.3779/日2 |
261 606/8400 日(定気白露) | 2763042/8400 日(定気秋分) | −1481 | −5.6429/日 | +0.3779/日2 |
2763042/8400 日(定気秋分) | 2914277/8400 日(定気寒露) | −1526 | +0.1432/日 | +0.3998/日2 |
2914277/8400 日(定気寒露) | 3064313/8400 日(定気霜降) | −1481 | +6.1488/日 | +0.4068/日2 |
3064313/8400 日(定気霜降) | 3213149/8400 日(定気立冬) | −1346 | +12.6336/日 | +0.3519/日2 |
3213149/8400 日(定気立冬) | 336 984/8400 日(定気小雪) | −1122 | +17.8043/日 | +0.3606/日2 |
336 984/8400 日(定気小雪) | 3506220/8400 日(定気大雪) | −823 | +23.0590/日 | +0.3695/日2 |
3506220/8400 日(定気大雪) | 3652055/8400 日(定気冬至) | −449 | +28.4618/日 | +0.3695/日2 |
日躔による補正値も、月離の場合と同じく 1/8400 日(宣明暦における1分)を単位として丸めて計算すればよい。
貞享暦・宝暦暦・修正宝暦暦
平均黄経に対する月離の進み
貞享暦・宝暦暦・修正宝暦暦における平均黄経に対する月離の進み δ☽︎(t) は、近点月 P☽︎ = 27.5546 日を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図に示す通り4個の3次関数を繋ぎ合わせた形である。
各区間における3次関数の係数は下表の通りである。
区間の始点 τs (近地点からの経過日数) |
区間の終点 τe (近地点からの経過日数) |
平均黄経に対する月離の進み δ☽︎(t) |
---|---|---|
近地点 0 日 | 6.511958 日 | 1.324 u − 0.052u2 − 0.005u3 日度 但し u := t/日 |
6.511958 日 | 遠地点 P☽︎/2 = 13.7773 日 | 1.1731u − 0.037u2 − 0.004u3 日度 但し u := (τe − t)/日 |
遠地点 P☽︎/2 = 13.7773 日 | 21.042642 日 | −1.1731u + 0.037u2 + 0.004u3 日度 但し u := (t − τs)/日 |
21.042642 日 | 近地点 P☽︎ = 27.5546 日 | −1.324 u + 0.052u2 + 0.005u3 日度 但し u := (τe − t)/日 |
平均黄経に対する日躔の進み
貞享暦・宝暦暦・修正宝暦暦における平均黄経に対する日躔の進み δ☉(t) は、近点年 P☉ を周期とする周期関数であり、その具体的な形は下図に示す通り4個の3次関数を繋ぎ合わせた形である。
(貞享暦では P☉ = 365.256696 日、宝暦暦では P☉ = 365.256556 日、修正宝暦暦では P☉ = 365.256626 日)
各区間における3次関数の係数は下表の通りである。
(暦法に依り P☉ の値は異なるが、これに因る δ☽︎(t) の値への影響は 10−6 日程度である)
区間の始点 τs (近日点からの経過日数) |
区間の終点 τe (近日点からの経過日数) |
平均黄経に対する日躔の進み δ☉(t) |
---|---|---|
近日点 0 日 | 89.253920 日 | 0.043600u − 0.0002000u2 − 0.00000034u3 日度 但し u := t/日 |
89.253920 日 | 遠日点 P☉/2 | 0.041198u − 0.0001764u2 − 0.00000031u3 日度 但し u := (τe − t)/日 |
遠日点 P☉/2 | P☉ − 89.253920 日 | −0.041198u + 0.0001764u2 + 0.00000031u3 日度 但し u := (t − τs)/日 |
P☉ − 89.253920 日 | 近日点 P☉ | −0.043600u + 0.0002000u2 + 0.00000034u3 日度 但し u := (τe − t)/日 |
寛政暦・天保暦
寛政暦・天保暦では、平均黄経を介さずに日時から直接黄経を求める。
寛政暦・天保暦の暦法書に規定された黄経の計算は非常に複雑なのであるが、おまつのブログ(おまつさん)というブログにて詳説されているので、正確な計算方法はそちらを参照されたい。
実のところ、寛政暦・天保暦はそれまでの暦法と比べて格段に精度が高いので、時刻系の違い(平均太陽時ではなく真太陽時を用いること)にさえ注意すれば、次節(明治改暦以降の旧暦)に示す現代天文学による略算式を用いて計算しても然程大きな誤差は生じない。
現代天文学による略算式を用いて計算した場合に朔や節気の日付が史実の寛政暦・天保暦と異なるのは、下表に示す6つのみである。
差異箇所 | 次節の略算式による日付 (グレゴリオ暦) |
史実の暦における日付 (グレゴリオ暦) |
|
---|---|---|---|
寛政暦 | 1802年 7月朔(第22283朔) | ||
1819年 5月朔(第22492朔) | |||
1824年 5月朔(第22553朔) | |||
1828年10月朔(第22608朔) | |||
天保暦 | 1848年立春(第44331節気) | ||
1852年清明(第44431節気) |
計算を簡便に済ませたければ、現代天文学による略算式を用いて計算した上で、上表の朔・節気の日付のみ補正すれば良いだろう。
(節気の日付は補正せずとも旧暦の日付の決定には影響しない)
明治改暦以降の旧暦
明治改暦以降の旧暦では、何らかの暦法書に規定された計算式ではなく、実際の月や太陽の黄経が作暦の基準である。
実際に月や太陽の黄経を求めるに当たっては、何らかの略算式を用いることになる。
よく知られた略算式としては以下のようなものがある。
- 『天測暦 昭和53年版』(海上保安庁水路部)に掲載された略算式
- 『天体位置略算式の解説』(井上圭典・鈴木邦裕)に掲載された略算式
- QRSAMP(高野英明)が採用している
- コンピュータによる天体の位置計算式(海上保安庁海洋情報部)の略算式
- 赤経・赤緯の略算式しか無いので、座標変換が必要となる
本稿では、前述のおまつさんの作成された水路部式の改訂版という略算式を紹介する。
「水路部式の改訂版」とは言うが、VSOP87 及び ELP2000-82B を基にした高精度なものである。
太陽の黄経
おまつさんの略算式によると、太陽の黄経(真黄経)λ☉(t) は次式で計算できる。
ここで、次式右辺の u は、時刻 t に対応するユリウス年数 JY(t) である。
λ☉(t) | = | 0.0000025°u sin(240.97024° + 719.9874571°u) |
+ | 0.0001181°u sin(243.44584° + 359.9937286°u) | |
+ | 0.00006° sin(129.01901° + 8.9049329°u) | |
+ | 0.00006° sin( 85.80080° + 122.9662205°u) | |
− | 0.00006° sin(109.92923° + 38.6827252°u) | |
+ | 0.00006° sin(334.46952° + 0.4075762°u) | |
+ | 0.00006° sin(145.88880° + 900.7377128°u) | |
+ | 0.00006° sin(126.43578° + 268.9465583°u) | |
− | 0.00006° sin( 76.40919° + 9625.3576239°u) | |
+ | 0.00007° sin(126.98151° + 0.0561683°u) | |
+ | 0.00007° sin(152.05282° + 1.1903425°u) | |
+ | 0.00008° sin(285.44371° + 168.5907355°u) | |
+ | 0.00009° sin(137.73067° + 12.2211379°u) | |
+ | 0.00012° sin(230.80908° + 347.7725906°u) | |
+ | 0.00012° sin(197.10816° + 319.3175611°u) | |
+ | 0.00012° sin( 5.38791° + 145.7784780°u) | |
+ | 0.00014° sin(109.75127° + 314.3692135°u) | |
+ | 0.00016° sin(108.03170° + 628.9402869°u) | |
+ | 0.00016° sin(198.78622° + 45.6245150°u) | |
+ | 0.00018° sin( 65.11345° + 675.5532846°u) | |
+ | 0.00020° sin(257.27739° + 0.0038566°u) | |
+ | 0.00028° sin(209.06815° − 44.4341725°u) | |
+ | 0.00029° sin(352.56522° + 1079.9811857°u) | |
− | 0.00037° sin(200.99619° + 720.0153950°u) | |
+ | 0.00043° sin(235.14760° + 315.5595560°u) | |
+ | 0.00045° sin(157.53705° + 299.2956151°u) | |
+ | 0.00049° sin(248.97860° − 22.8122575°u) | |
+ | 0.00052° sin(332.82704° − 1.5067827°u) | |
+ | 0.00057° sin( 29.80522° + 337.1814711°u) | |
+ | 0.00069° sin(153.57565° + 90.3751278°u) | |
+ | 0.00073° sin(333.28344° − 30.3490567°u) | |
+ | 0.00076° sin(132.52960° + 659.2893436°u) | |
+ | 0.00134° sin( 81.51535° + 225.1844282°u) | |
+ | 0.00153° sin(343.13042° + 450.3688564°u) | |
+ | 0.00180° sin(242.22020° − 4452.6711152°u) | |
+ | 0.00196° sin(287.91793° − 0.2018598°u) | |
+ | 0.00200° sin(247.22117° + 329.6446718°u) | |
− | 0.00478° sin(125.03373° − 19.3413626°u) | |
+ | 0.01999° sin(355.04476° + 719.9874571°u) | |
+ | 1.91463° sin(357.52586° + 359.9937286°u) | |
+ | 0.000000030°u2 + 360.0076974°u + 719650.46075° |
上式では、加減算する項の順番を原文とは逆順にしている。
これは、コンピュータの浮動小数点数演算で計算する際の情報落ち誤差[注1]を軽減するためである。
(より正確には、各項の値をそれぞれ求めた上で、絶対値の小さな項から順に加減算するべきである)
また、原文では 280.46075° であった定数項を上式では 719650.46075° としている。
これは、第0節気(西暦0年冬至)において λ☉(t) = 0° となるようにするための補正項である。
これにより、各整数 m に対し、次が成り立つ。
λ☉(t) = 15m° なる時刻 t が第 m 節気
太陽の平均黄経
太陽の平均黄経 λ̄☉(t) は、前項の真黄経の式のうち周期項を除いたものである。
月の黄経
おまつさんの略算式によると、月の黄経 λ☽︎(t) は次式で計算できる。
ここで、次式右辺の u は、時刻 t に対応するユリウス年数 JY(t) である。
λ☽︎(t) | = | 0.0000047°u sin(357.52909° + 359.9905029°u) |
+ | 0.00029° sin(280.58970° + 23221.3082593°u) | |
+ | 0.00030° sin( 19.58410° − 40.6729418°u) | |
+ | 0.00032° sin( 53.08650° + 4792.6428976°u) | |
+ | 0.00032° sin(310.02141° + 5491.9696821°u) | |
+ | 0.00033° sin(148.09739° + 18089.3290801°u) | |
+ | 0.00033° sin(113.48956° − 3494.7184317°u) | |
+ | 0.00034° sin( 96.37637° − 3814.0359929°u) | |
+ | 0.00035° sin( 70.34233° + 9584.6502944°u) | |
+ | 0.00037° sin( 21.00755° + 720.0153950°u) | |
+ | 0.00038° sin(263.38263° − 120.0629979°u) | |
+ | 0.00040° sin(226.68534° − 398.7076173°u) | |
+ | 0.00049° sin(332.07641° + 5091.3062375°u) | |
+ | 0.00052° sin( 66.12900° − 17450.6939578°u) | |
+ | 0.00054° sin(179.85287° + 19087.9547053°u) | |
+ | 0.00055° sin(246.36331° + 22582.6731370°u) | |
+ | 0.00060° sin(128.37285° + 1118.6886231°u) | |
+ | 0.00069° sin(216.69729° + 278.6446194°u) | |
+ | 0.00070° sin(264.20498° − 4853.3345598°u) | |
+ | 0.00071° sin(139.90503° + 4052.0076705°u) | |
+ | 0.00076° sin(336.05544° − 7906.7166051°u) | |
+ | 0.00081° sin(188.19236° + 14037.3214096°u) | |
+ | 0.00089° sin(321.41315° − 8586.0246692°u) | |
+ | 0.00111° sin(276.47024° + 19208.0177032°u) | |
+ | 0.00122° sin(201.09222° − 12678.7052814°u) | |
+ | 0.00159° sin(242.24385° + 18569.3825809°u) | |
+ | 0.00177° sin( 4.11946° + 4013.2905561°u) | |
+ | 0.00196° sin(125.04550° − 19.3413618°u) | |
+ | 0.00205° sin( 74.32136° − 3413.3725482°u) | |
+ | 0.00207° sin(175.05819° + 719.9810058°u) | |
+ | 0.00212° sin( 87.45553° + 9903.9678555°u) | |
+ | 0.00224° sin(299.35814° − 8185.3612245°u) | |
+ | 0.00235° sin(252.81324° + 9224.6597915°u) | |
+ | 0.00239° sin(211.75548° + 998.6256252°u) | |
+ | 0.00260° sin( 72.71937° − 13797.3939046°u) | |
+ | 0.00269° sin(272.39734° + 9183.9868497°u) | |
+ | 0.00367° sin(349.18961° + 5410.6237986°u) | |
+ | 0.00386° sin(111.40009° + 17810.6844607°u) | |
+ | 0.00396° sin( 60.24759° − 1.3184887°u) | |
+ | 0.00399° sin(145.62648° + 18449.3195830°u) | |
+ | 0.00404° sin( 13.13417° + 13317.3404037°u) | |
+ | 0.00478° sin(305.03343° − 19.3413626°u) | |
+ | 0.00499° sin(295.37912° + 4812.6616181°u) | |
+ | 0.00516° sin(197.11319° + 319.3175611°u) | |
+ | 0.00677° sin( 53.22914° + 9265.3327332°u) | |
+ | 0.00789° sin(261.73408° − 4493.3440569°u) | |
+ | 0.00855° sin(338.52634° − 8266.7071080°u) | |
+ | 0.01003° sin( 44.88965° + 14315.9660289°u) | |
+ | 0.01067° sin(203.56313° − 13038.6957844°u) | |
+ | 0.01098° sin(308.41941° − 4892.0516742°u) | |
+ | 0.01253° sin(141.50702° + 14436.0290269°u) | |
+ | 0.01533° sin(130.84376° + 758.6981202°u) | |
+ | 0.03038° sin(312.49231° + 5131.9791792°u) | |
+ | 0.03472° sin(117.85002° + 4452.6711152°u) | |
+ | 0.04092° sin(137.43412° + 4411.9981734°u) | |
+ | 0.04576° sin(301.82905° − 8545.3517274°u) | |
+ | 0.05332° sin( 10.66326° + 13677.3309066°u) | |
+ | 0.05707° sin( 76.79227° − 3773.3630511°u) | |
+ | 0.05879° sin(214.22639° + 638.6351223°u) | |
+ | 0.11433° sin( 6.54381° + 9664.0403505°u) | |
+ | 0.18512° sin(177.52909° + 359.9905029°u) | |
+ | 0.21362° sin(269.92643° + 9543.9773526°u) | |
+ | 0.65831° sin(235.70005° + 8905.3422303°u) | |
+ | 1.27401° sin( 79.26317° − 4133.3535540°u) | |
+ | 6.28877° sin(134.96312° + 4771.9886763°u) | |
− | 0.000000133°u2 + 4812.6788118°u + 9620588.31645° |
項の順番については太陽の黄経のときと同様である。
また、原文では 218.31645° であった定数項を上式では 9620588.31645° としている。
これは、第0朔(0年11月朔)において λ☽︎(t) = λ☉(t) となるようにするための補正項である。
これにより、各整数 m に対し、次が成り立つ。
λ☽︎(t) − λ☉(t) = 360m° なる時刻 t が第 m 朔
出典・参考資料
- 内田正男『日本暦日原典〔第四版〕』(雄山閣出版、
- 暦計算室(国立天文台)
- おまつのブログ「江戸頒暦の研究」(おまつさん)
- QRSAMP(高野英明さん)
脚注
- ^ 1.
- 「情報落ち誤差」は浮動小数点数演算において発生する誤差の種類の1つ。絶対値の大きさが著しく異なる2つの数値の加減算を行うと、絶対値が大きい方の値の有効桁数に引き摺られて、絶対値が小さい方の値の情報が欠落してしまうことがある。